東海大学医学部腎内分泌代謝内科

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研究活動

齊藤先生,豊田先生,木村先生,和田先生,深川先生の論文「Regulation of Renin Expression by Β1-Integrin in As4.1 Juxtaglomerular Line Cells」がBiomedicinesに掲載されました

https://www.mdpi.com/2227-9059/11/2/501

腎機能障害と高血圧は互いに増悪因子となるが、その相互作用の詳細については不明である。我々は、糖尿病ラットの腎臓組織を用いて、レニンを分泌する傍糸球体細胞において、細胞基質接着分子であるβ1-integrinが特異的にリン酸化されることを見出した。マウス糸球体細胞株(As4.1細胞)を用いて、薬剤によるβ1-integrinのリン酸化/脱リン酸化の促進、β1-integrinおよび細胞接着分子であるconnexin-40(圧受容器本体)のノックダウン、大気圧+100mmHgへの加圧、低張液体培地による培養を行い、これらの条件下でのレニンの発現を qRT-PCR で測定した。β1-integrinのリン酸化はレニンの発現を抑制し、脱リン酸化は逆に促進した。β1-integrinとconnexin-40のノックダウンは、ともにレニンの発現を促進させた。空気圧加圧と低張力培地培養はともにレニンの発現を低下させ、β1-integrinのノックダウンにより回復した。結論としてβ1-integrin はリン酸化/脱リン酸化による調整を介してレニン発現に抑制的に働いていると推定される。β1-integrinをはじめとする接着因子は、細胞膜上の圧受容器の感度を変化させることでレニンの発現を調節していると考えられる。

豊田先生,小泉先生,金井先生,駒場先生,木村先生,和田先生,角田先生,深川先生が共著者となっている論文「Evaluation of ABCG2‐mediated extra‐renal urate excretion in hemodialysis patients」がScientific Reportsに掲載されました.

https://www.nature.com/articles/s41598-022-26519-x

Evaluation of ABCG2‐mediated extra‐renal urate excretion in hemodialysis patients

Yuki Ohashi, Masao Toyoda, Nobumichi Saito, Masahiro Koizumi, Genta Kanai, Hirotaka Komaba, Moritsugu Kimura, Takehiko Wada, Hiroo Takahashi, Yuichiro Takahashi, Naoto Ishida, Takatoshi Kakuta, Masafumi Fukagawa & Kimiyoshi Ichida

尿酸トランスポーターABCG2は腎外尿酸排泄の大部分を担っており,その機能不全は高尿酸血症や痛風の原因となる.末期腎不全ではABCG2を介した腎外尿酸排泄能は未解明であり,尿酸排泄が腎外経路のみに依存する無尿の血液透析患者123名を用いて,腎外ABCG2の評価をおこなった.結果,血清尿酸値はABCG2機能障害で有意に増加しており,腎外ABCG2は血液透析患者の1日の尿酸産生量の約60%まで排泄できることがわかった.本研究は腎機能障害患者の尿酸ホメオスタシスにおける腎外経路の重要性を示唆するものであった.

中川先生の論文「Clinical Phenotypes and the Clinical Course of Bullous Pemphigoid Receiving Dipeptidyl Pepitidase-4 Inhibitor Treatment: An Analysis of Cases in a Single Japanese Center」がIntern Med Advance Publicationに掲載されました

https://doi.org/10.2169/internalmedicine.0815-22
Clinical Phenotypes and the Clinical Course of Bullous Pemphigoid Receiving Dipeptidyl Pepitidase-4 Inhibitor Treatment: An Analysis of Cases in a Single Japanese Center

Yosuke Nakagawa, Masao Toyoda, Nobumichi Saito, Noriko Kaneyama, Tomomichi Shimizu, Tomotaka Mabuchi and Masafumi Fukagawa

本研究では,DPP-4阻害薬と水疱性類天疱瘡の臨床表現型および臨床経過との関連性を,東海大学病院における水疱性類天疱瘡患者146名のデータを解析することで検討しました。DPP-4阻害薬を用いている糖尿病患者と,用いていない糖尿病患者の水疱性類天疱瘡疾患領域指数(BPDAI)を多変量線形回帰モデルを用いて解析し,DPP-4i治療とBPDAIスコアの関連を検討し,結果,DPP-4阻害薬投与中に水疱性類天疱瘡を発症した患者において,非炎症性の表現型はDPP-4阻害薬投与が水疱性類天疱瘡発症に寄与している可能性が高いことが示唆されました。

小泉先生,松坂先生が共著者となっている総説がPharmacological Reviews 誌に掲載されました。

Pharmacol Rev 74:462-505, July 2022

Kidney Angiotensin in Cardiovascular Disease: Formation and Drug Targeting
Hui Lin, Frank Geurts, Luise Hassler, Daniel Batlle, Katrina M. Mirabito Colafella, Kate M. Denton, Jia L. Zhuo, Xiao C. Li, Nirupama Ramkumar, Masahiro Koizumi, Taiji Matsusaka, Akira Nishiyama, Martin J. Hoogduijn, Ewout J. Hoorn, and A.H. Jan Danser

この総説では,腎臓のアンジオテンシン局所生成がどのように起こり,それがRAS阻害薬などの薬物によってどのように影響を受けるか,さらに腎臓のRASを変化させたときになぜ薬物が腎保護作用を示すのかについて,包括的に解説されています。
小泉先生のパートでは,2019年発表のメガリンKOマウスを用いた研究に基づいて,腎臓のアンジオテンシンII生成機構に関して,ポドサイト傷害による腎アンギオテンシンIIの増加は,ENaCとNHE3を活性化することでナトリウム保持に寄与している可能性を論じております。

駒場先生の論文「Parathyroidectomy vs Cinacalcet Among Patients Undergoing Hemodialysis」がJCEMのFeatured Articleに選ばれました

https://academic.oup.com/jcem/article-abstract/107/7/2016/6547683?redirectedFrom=fulltext&login=false/

駒場先生の論文「Parathyroidectomy vs Cinacalcet Among Patients Undergoing Hemodialysis」がJCEMのFeatured Articleに選ばれました
駒場先生が筆頭著者,深川先生が共著者となっている論文「血液透析患者における副甲状腺摘出術とシナカルセト塩酸塩の比較」がJCEMのFeatured Articleに選ばれ,JCEMのホームページのヘッドラインで紹介されることになりました.駒場先生おめでとうございます.論文の概要については5月12日の記事もご参照ください.

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