ホームページでの報告が遅くなりましたが、2025年12月17日に中川洋佑医師の研究論文がAmerican Journal of Nephrology誌のオンライン版で閲覧可能となっています。
腎不全患者さんでは、リン代謝異常に伴い FGF23 が著しく高値になりますが、その仕組みは十分に分かっていません。本研究では、リン負荷で腎由来の グリセロール3リン酸(G-3-P) が増え、FGF23産生を促す可能性に注目し、健常者35人と血液透析患者650人で血清G-3-Pを測定しました。
その結果、透析患者のG-3-Pは健常者より約2.2倍高く、血清リンが高いほどG-3-Pも高いことが、他の因子を調整しても(透析歴10年以上に限定しても)一貫して確認されました。さらに、FGF23はリン、カルシウム、PTH、G-3-P、活性型ビタミンD使用と関連し、多変量解析では G-3-PがFGF23の独立した予測因子 でした(鉄関連指標や炎症を追加調整しても結果は不変)。
結論として、腎不全でもリン貯留に応じてG-3-Pが増加し、FGF23産生を調節する可能性が示されました。今後、機能が低下した腎臓がG-3-Pを産生し得るのかを含め、さらなる検証が必要です。
中川先生、おめでとうございます!
