腎臓を通して全身を診ることができる
私は今、腎内分泌代謝内科で臨床助手として診療にあたっています。内科を選んだ理由としては、研修医の時に地域医療研修として、長野県の病院で3ヶ月間実習を経験したことが大きいです。市中病院だったため、夜間に患者さんの具合が悪くなると、研修医にも連絡が来て駆けつけるといった機会がありました。そのように患者さんとの距離が近い環境で学ぶ中で、内科のおもしろさややりがいを感じるようになったのです。
腎臓内科を選んだのは、内科の中で最も臨床的で、患者さんの全身の評価をできると考えたからです。また以前に勉強会で、著名な先生が「腎臓内科医というのは腎臓という窓を通して全身を診ることができる」と話しているのを聞き、なるほど、やってみたいなと思ったことも影響していると思います。
腎臓・内分泌代謝・糖尿病の3分野を学べる
当科では、腎臓と内分泌代謝と糖尿病の3分野が一つの科として連携しています。入局して浅いうちは専門を決めずに、腎臓だけではなくて内分泌代謝と糖尿病についても学ぶことができます。専門を決める前に、総合的な基礎知識を身にけられることは、当科の大きな魅力だと思います。私の場合は、専門を腎臓に決めた後も、糖尿病チームで学んだインスリンの使い方や内服薬の使い方が非常に役立っています。また、血液透析を受けている人の約半数は糖尿病からくる腎異常を抱えているので、そうした意味でも3分野の連携のメリットを感じます。
また、研究機関としての環境も非常に恵まれていると思います。当科では、臨床と研究の両立が推奨されており、若手のうちから研究に参加できる環境があり、指導してくださる先生方も多数いらっしゃいます。私の場合は、学会発表でのプレゼン資料作成の際に、先生方にきめ細やかな添削をしていただいています。研究や学会発表を経験することで、少しずつでも成長していきたいと考えています。
公私の充実が、治療へのさらなる意欲を生む
日々忙しくはありますが、当科では「より質の高い仕事をするには、私生活の充実は重要である」という意向のもと、半日休暇制度や年休制度を取れる体制が整っています。このため、忙しい中でも、プライベートも楽しむゆとりがあります。また、私には1歳半になる子どもがいますが、子どもの具合が悪い時など緊急に抜けなければならない用ができても、スタッフ全般に相談しやすく、とても助かっています。
臨床の現場にいると、腎臓の治療にはまだまだわからない部分、新しい治療法が必要な部分があることを実感します。今後の目標としては、血液透析や急性期の血液浄化療法に関して、知識を増やし臨床経験を積むことで自信につなげていきたいと考えています。その上で、論文執筆や学会発表を重ねて、研究にも力を入れていけたらと思っています。