若手が外来の初診を任せられるメリット
内科の中でも腎内分泌代謝内科に決めたのは、患者さんの生活習慣に関与しながらも、急性期から慢性期まで、いろんな症例に当たれるので興味を持ちました。腎内分泌代謝内科では腎臓病のみならず、透析、糖尿病、さらには腎移植も移植外科と深く連携していますので、腎臓だけを診ているのではないのです。
高血圧で糖尿病も持っていて腎臓も悪いという人は、たくさんいらっしゃると思うのです。患者の生活習慣に照らして全身を見渡し、総合的に診療していく。大学病院では入局すると、臓器ごとに専門が分かれていくのですが、今後どの専門医に進むにしても、腎臓にとどまらない幅広い知見が得られるメリットがあります。
後期研修医が外来の初診を担当できることも、腎内分泌代謝内科の大きな特長です。私も今年度から任せてもらっています。かかりつけ医の紹介状を持参した難解な疾患も多いのですが、ファーストタッチをした後に専門外来に任せるのか、再度かかりつけ医の先生にお任せするのか、自分で診療を継続するのか、これらを決定することがとても大事な役割ですので、科の顔として責任感を持って取り組むことができます。
また、バックアップの先生方がたくさん付いてくださっていますので、わからないことは質問をして納得しながら診療を進めることができます。
大学病院でも市中病院としての役割が強い
東海大学医学部付属病院は、大学病院にしては地域の基幹病院としての役割が強く、市中病院で診るような疾患も多いことが特徴です。一方で、大学病院だからこその稀な症例も診ることができます。
私は初期研修で3ヶ月間の地域医療研修を市中病院で受けているのですが、大学病院との違いとして、担当医としてやらなければならないことに加えて、大学病院らしい雑用は多少あるように思います。しかし、それ以上に得られる臨床経験は多く、充実した研修を受けられていると思います。大学病院で研修するか、市中病院で研修するかで、歩む方向が変わってきますので、初期研修医は進路に迷うところですが、いかにも大学病院という雰囲気ではなさ過ぎないのことが、当科の魅力だと感じています。
専門分野の垣根を越えた協力体制
仮に糖尿病を専門に決めたとしても、カンファレンスなどで腎臓や内分泌疾患に触れる機会も多く、様々な疾患の知見を広げることができます。中には腎臓専門医、糖尿病専門医など複数の専門医を取得される先輩もいます。内科医としての基礎的な経験を幅広く積むことが出来るのは、複数の専門分野が仲良く診療できているために得られる魅力ではないでしょうか。
また腎内分泌代謝内科には、家族、プライベートの件で緊急に抜けなければならない用ができても、女性だから特別にというのではなくて、スタッフ全般に相談しやすい垣根の低さがありました。専門分野に関係無く、「スタッフ同士が相談できる垣根が低い」ということを、実際に入局しても感じました。
専門を決める前に、自分のライフスタイルに合わせて、総合的な基礎知識がつく身につくことが、東海大学病院腎内分泌代謝内科の一番の魅力ではないでしょうか。
*2017年7月現在の内容です。